「顔彫り手本の途中の工程から仕上げまで」の動画シリーズでご覧いただいた作品について、いろいろな角度から撮影した写真を掲載します(下の方をご覧ください)。顔彫りのご参考になれば幸いです。
この顔は全長20センチ以上の置物の顔ぐらいの大きさで、根付の顔より遥かに大きいです。父が手本として、顔のパーツまでよく見えるように大きいサイズで作りました。
このように大きい顔は根付とは違った難しさがあり、父は置物彫刻出身なので出来たようです。根付が彫れるからといって、この大きさの顔で美人に彫れるとは限らないといいます。
ちなみに、父は昔の大女優・山田五十鈴(やまだ いすず)さんや花柳小菊(はなやぎ こぎく)さんの若い頃の顔を目指しているそうです。ただ、面長のお二人の顔をリアルに彫ると鼻の下が長くなってしまうため、他のパーツを修正する必要が出てきてしまいます。
特に、根付のように小さい顔は、鼻の下が短くないと間延びした顔になってしまうのだそうです。また、面長に彫るには鼻を長くしなければなりませんが、それもまた間延びした顔になるのだとか。
面長の顔が好きな人ばかりでもないので、父も紆余曲折を経て、いま彫っているような顔にたどり着いたようです。
底面には「マンモス牙」と彫ってあります。父は普段、作品に材料の名前を彫り込むことはありませんが、象牙でなくてマンモス牙だと明示したかったようです。
【動画】顔彫り手本の途中の工程から仕上げまで シリーズ一覧
駒田牧子