【動画】顔彫り手本の途中の工程から仕上げまで(その8)髪のお団子を塗る

前回の動画(その7)の続きです。同じ絵の具で髪の毛のお団子部分を塗りつつ、先に塗っていた頭の部分でポツンと穴が見つかるたびに絵の具で埋めています。

ひたすら塗り続ける単調な動画ですが、一通りご覧いただくと、細かい塗りをする際の筆の持ち方や使い方、作品の持ち方など、父のいろいろなやり方が垣間みえて、少しでもご参考になるのではないかと思います。

この動画で特にご覧いただきたいのは筆運びです。筆を動かす方向が右から左へ、上から下へ、だけでなく、左から右、下から上へも動かしています。

象牙と違ってマンモス牙の場合は脂が抜けていたり、彫った後の目が粗い材料などでは、筆がスムーズに運ばなかったり、絵の具にポツンと小さな穴ができやすいのですが、筆を左から右(下から上)に動かすと、筆の先端だけでなく中頃まで使って塗れるので、筆が進みやすくて、穴もできにくいのです。

さらに、両手の使い方にもご注目ください。右手でしっかり筆を持ち、作品を持つ左手とくっつけて支え合っています(下の写真がその例です)。

父いわく、歳をとるにつれ手が震えたりしてスムーズな筆運びが難しくなっていくので、細かい塗りの際にもブレない方法を長年模索したのだそうです。

また、一つの方法が絶対に正しいとか万能ということはなく、材料や状況に応じて最善策も異なると父は言います。作家の皆さんには、いろいろ試してそのつど最善の方法を見つけて欲しいそうです。

そのため、父の道具の持ち方や使い方、作品をしっかり持つ方法などからヒントを得ていただけるよう、このシリーズの動画はすべて(撮影開始と終わりの合図やひどいブレ以外)ほぼノーカットで公開しいてます。

駒田牧子