左刃は研ぐのが難しく、うまく研がないと切れなくなってしまいます。この動画では、根付作家として左刃の小刀の制作が得意で研ぎも上手な駒田柳之が、初心者でも失敗の少ないおすすめの方法を披露しています。
いくつかポイントがあります。
1)まずは裏刃(うらば)、すなわち刃の平な面のほうを研ぐ
2)刃を右手だけでなく左手の人差し指でも押さえる
3)刃を横にスライドさせるのではなく、刃の方向(縦方向)に小刻みに動かす(下の写真参照)
4)切り刃(「きりは」と柳之が呼んでいる、すなわち切れる方の刃)も、裏刃と同様に左手の人差し指で刃を押さえながら研ぐ
この動画で使用している道具は次の通りです。
1)シャプトン社製1000番の砥石「刃の黒幕 オレンジ1000 中砥 K0702」
2)シャプトン社製「復活砥石」(動画の後編で使用)
4)水
5)ウエス(綿100%の布切れ)
不要となった綿100%の服を10〜15cm角に切っておくと便利に使えます。詳しくはここをクリック。
ちなみに、この動画で柳之は小刀の柄を薬指と小指の間で支えています。必ずしもこの持ち方でなくてもよいそうです(後編では柄を薬指と小指の間に入れていません)。
4:30頃から5:05頃まで、柳之が片手研ぎを実演しています。父親で象牙彫刻家だった柳水(りゅうすい)から教わったやり方ですが、柳之本人としても難しいので両手で研ぐ方法を推奨しているのだそうです。
駒田牧子
後編では、研ぎのさらなる要点と砥石のメンテナンスについて語っています。ここをクリックしてご覧ください。