【展示販売会/東京】守 破 離 永島信也 根付彫刻展

花影抄/根津の根付屋にて
2025年3月1日[土]~9日[日] ※3日[月]休
※作家在廊予定日:3月1日・2日・9日

永島信也(ながしま しんや)氏の個展。今回はハッピーエンドをテーマとして因幡の白兎などを題材とした根付が出品される。

【作家より】

根付を作り始めて10年以上が経ちました。
自分には師はおりませんが、花影抄という空間でいろいろな方と関わり勉強し進んできました。
ある意味この場所こそが師と言えるでしょう。

今自分は「破」と「離」の狭間にいるように感じます。
花影抄で積み上げ、確立させてきた自分の型を大切にしつつ新たな変化を取り入れたい。
そんな心意気で臨む展覧会となります。

(永島信也)

【ギャラリーより】

※発表作品につきましては、4日から5日にかけてwebページにて公開を目指しております。
根津の根付屋内 永島信也作品紹介ページにアップの予定です。
https://www.hanakagesho.com/nezu-netsuke/netsukeartists/ngs/ngs_sale.html

永島信也さんの花影抄での初個展開催が2010年のことで、以来15年目を迎えるとのことで、いろんなことを思います。

今回の展覧会タイトルは永島さんとスタッフが話し合う中で「守破離」となりました。

しゅ‐は‐り【守破離】(デジタル大辞泉より引用)
剣道や茶道などで、修業における段階を示したもの。「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。

ウィキペディアで読むともう少し雰囲気を掴みやすいかと思います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%88%E7%A0%B4%E9%9B%A2

永島さんは美術大学の彫刻科に在学中から私ども花影抄/根津の根付屋の門を叩き、手探りで現代根付作家の道を進んできました。

当初は、作家とギャラリースタッフの小さな二人三脚で制作や活動を始めました。その期間は、古典から現代までの根付とはどのようなものかを知り考え、作家として芽と根を伸ばし始める前の大事な時期だったと思います。

やがて個展や活動を通じて多くの工芸家・彫刻家・画家・現代美術家、コレクターや美術関係者、ファンになってくださった皆様など、多くの方々と知り合い交流を広げ深めていきました。彼自身が広い世界から自分に必要なものを吸収し表現や活動の領域を広げていく時期となりました。
あらためて考えてみると、永島信也さんほど、広く多様な領域の方々と接してコミュニケーションをしてきた現代根付作家も少ないのではないかと思います。デビュー以来、アートフェアにも多数参加し、根付以外のアートギャラリーでも活動や交流を続けてきました。現代・古典双方合わせた根付の世界、その周りに広がる美術工芸の世界、それらすべてを通しての現代・現在・今日の中で、現代根付作家としてどのようなものが人を楽しませうるか、どのようなものを作って進んで行けば良いのか、試行錯誤の連続です。大切にしなければならない根付らしさ・根付としての抑えどころと自分の表現の間の距離感を様々に測り探りながら進む。その過程渦中を見守ることで「現代根付」というものについて、私たちも考えていきます。

作家の言葉の冒頭にある「花影抄/根津の根付屋」の展示室や活動が「師」の代わりとなり得ていたという言葉に少しの安堵と大きな喜びを感じます。
彼は今、「離」に向かう最中にあると感じているようで、少しの老婆心的な心配とますますの期待を持って見守っていきたいと思っております。

今回の個展では、大きさ・素材・モチーフ・デフォルメ具合のバリエーション多彩な7~8点を展示します。
是非、作品についてのご意見やご感想を多くの皆様にいただけましたら、作家共々幸いに存じます。

花影抄

場所:113-0031 東京都文京区根津1-1-14-202
交通:千代田線根津駅(根津交差点口)徒歩1分
電話/ファクス:03-3827-1323
電子メール:netsukeya@hanakagesho.com
ホームページ: https://www.hanakagesho.com

画像 花影抄/根津の根付屋 (c) 2025


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